ケトン体ってなに!?~ケトン体を科学的に説明~

ケトン体で脂肪を燃やす!?
ケトジェニックダイエットで必須のケトン体ってどんなもの?

ケトン体とは、「アセト酢酸」「β-ヒドロキシ酢酸」「アセトン」の総称で、絶食、低炭水化物食、激しい運動時等、体内のブドウ糖が枯渇した時に、ブドウ糖に代わるエネルギー源として、肝臓で生成される物質です。

体内に存在するブドウ糖の量が減少すると、肝臓や筋肉に蓄えられている「グリコーゲン(ブドウ糖が結合したもの)」が、ブドウ糖に分解されてエネルギーとして利用されるようになりますが、「グリコーゲン」は 1 日ほどで枯渇してしまいます。グリコーゲンが使われた後は、脂肪細胞に蓄えられている脂肪がエネルギーとして使われます。

しかし、脂肪細胞に蓄えられている中性脂肪は、そのままだとエネルギー源として利用できないため、肝臓でケトン体へ変換されて、血液で運ばれ、脳や筋肉のエネルギーとして使われます。これがケトン体で痩せるメカニズムです。

ケトン体と脂肪酸~中性脂肪からケトン体ができるまで~

脂肪細胞中の中性脂肪から脂肪酸が切り離されて、血液中のアルブミンと結合し、肝臓に運ばれます。肝臓に運ばれた脂肪酸は「アセチルCoA(あせちるこーえー)」 になり、このアセチルCoAがβ酸化することで、「アセト酢酸」、「βヒドロキシ酢酸」等の「ケトン体」が作られます。
※β酸化とは・・・体内における脂肪酸の酸化形式の一つ。

ケトン体って本当に悪いもの?

結論から言うとズバリ体に悪いものでは決してありません!!
日本では、ケトン体は、飢餓や糖尿病等の病的な時に増えるものという理解が昔からあり、体に悪いものという印象が強くなったのではないでしょうか。
しかしケトン体は、もともと健康な人も使っています。原始時代の人間は、狩猟採集生活をしていましたので、獣肉からの脂肪により、今より多くのケトン体を利用していたと考えられています。
人間は、農耕を発明した事により、生産物の多くが糖質が多い物に変わりました。
これにより糖質の摂り過ぎによる問題が発生し、最近では糖質ゼロの飲料水やビールが増えています。
糖質系のエネルギー代謝と、脂質系のエネルギー代謝バランスは、これからケトン体の活用が増える方向に変化すると思われます。
私がスイスにケトジェニックダイエットの体験に行った時も、3 日目の朝にケトン体試験紙で、排出量のチェックをしました。
つまり、スイスでは、20 年以上前から、アンチエイジングやダイエットのために、ケトン体代謝をコントロールする事で、安全に健康や美を得る手段として活用してきたわけです。

一般的なケトン体量

・健康な方のケトン体 血中濃度は、3 ㎎/dl 以下、1 日の排出量は 20 ㎎程度であると言われています。
・重篤な糖尿病の人は、血中濃度 90 ㎎/dl、1 日の排出量は 5,000 ㎎にも達すると言われています。

血中濃度 1 日の排出量
健康な人のケトン体 3 ㎎/dl 以下 20 ㎎
重篤な糖尿病患者のケトン体 90 ㎎/dl 5,000 ㎎